磯釣り|チヌ釣り|グレ釣り|釣り針 仕掛の YAIBA-X

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磯釣り|チヌ釣り|グレ釣り 釣り針・仕掛の YAIBA-X|フィールドスタッフレポート

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YAIBA-X フィールドスタッフレポート

2016年07月26日掲載文

フィールドアドバイザー西昭彦氏のレポート

私の気付きと鈎との出会い。

【考察記事】私の気付きと鈎との出会い。

2016年も梅雨が終わり、季節は暑い夏に入った。
この梅雨シーズンは業務都合でなかなか釣りに行けなかったが、久しぶりに大分県南米水津に足を運ぶ機会に恵まれ、その際に嬉しい気付きが有った。
同釣行をバックグランドとして今釣行の模様を交え、鈎との素晴らしき出会いを紹介したい。

【背景】
御存知の通りグレ・チヌなどの上物をターゲットにしたフカセ釣りを楽しむにはたくさんの道具が必要となる。
竿リールは勿論、ライン、ハリス、ウキ、鉤、ガン玉、ストッパーなど、どれも無ければ釣り自体が成立しない程、重要なアイテムばかりである。
対象魚を手にする事、また納得の釣りを目指すにはそれら個々の種別に対して最終的には全て自分で選び、組む事となる。
ところがそうして選んだアイテムでどうしても結果を導き出せない時、再度違う組み合わせを取り入れて結果を追う。
我が国は小さな島国なれど世界に誇る工業大国であり、真面目で繊細さと器用さを併せ持つ日本人は釣り界でも常に他国をリードしてきた。
それは昔から今この時も変わりなく、先々も変わる事はないだろう。
そんな釣り道具世界一の日本のメーカーは当然、日々昼夜研鑽を重ね、技術を結集して世に新たなアイテムを続々とリリースし続けている。
多岐に渡る選択肢の中から選り好んで使える環境は釣り人として幸せだが反面、迷いも存在する。
かく言う私もいまだに新たな製品が出ては注目し、シミュレーションしては手を出す事となる。
もう20年以上、こんな具合いだから全くもって永遠の迷い人である。

さて長年、釣りに取り組んできてつくづく思うのは鈎もまた非常に重要なアイテムという事だ。
と言うのは唯一、魚と接触する道具であるから当然といえば当然であるがこれまで複数人で竿を振った際、ライン、ウキ、仕掛けが同じでも鈎が違えば釣果が違う事が多々あったのだ。

更には鈎も同じでもヒット率が違う事があり、釣り人と鈎の相性もあると感じている。
海は変化するし、同じ磯でも釣り座が違えば・・・
人によって釣り方も違うし腕もエサも違うと言われれば・・・。
それはごもっともな話である。

【1st hook】
ところが皆さんは複数人で釣っていて一人だけ本命のグレを連発する場面に遭遇した事はないだろうか?
 ”何故あいつだけ釣れる?”
 ”俺の釣りの何が悪い?”
と思う事もあれば逆に、
 ”俺だけ釣れてる。”
 ”釣り座交代を伝えたら相棒は気を悪くするだろうか?”
と思う事もあり、両者の胸中は悲喜交々。
いずれも複雑な心理?が渦巻くものだが二年前、大分県南・鶴見での釣行で「喰わせグレケイムラ4号」で私が後者となった事があった。
他の鈎でもなく同5号でもなく、「喰わせグレケイムラ4号」だけでの事でそれは試行錯誤の末、ようやく導き出した結果であった。

ところが同礁者であるクラブの後輩は鳴かず飛ばずである。腕が良くセンスもあり、いつもよく釣るにも関わらずだ。
「グレは居ったなぁ。 しかし、今日の答えはケイムラ4号やったなぁ。」
とライブウェルに何尾目かの良型のグレを入れながら独り言を漏らしてみたところ・・・
僅かその数分後に後輩も竿を曲げ始めたのだ。
「◯◯、一体何をした?」と問い詰めたところ・・・
「聞いてましたよ。鈎をケイムラ4号に替えました。」
と。
更には「お、今度は更に良い型ですよ⁉ ボクにマズい事を教えましたねぇ。わっははは!ヤバいっ、楽しい〜っ!」
ときた。
元々腕の立つ彼はこの件以来、すっかり1st hookとなった「喰わせグレケイムラ」を愛用し、釣果を上げ続けている。
1

【2nd hook】
私自身も鈎はリリース以来、「喰わせグレケイムラ」が釣りの根幹となっており、フックケースは勿論、磯バッグにも必ず各号数が揃っているが”永遠の迷い人”の状況はとどまる事を知らない。
“ベースの鈎は有れど更に釣りの幅を広げるためには。”といった事を描きつつ、いまだに試行錯誤が続いている。

当然、これまで多くの鈎を使ってきたが、釣果が伴い、また一番しっくりきたのが「喰わせグレケイムラ」だったという訳だ。
「喰わせグレケイムラ」の特徴は何と言っても紫外線に反射して発光するカラーであるが、改めて形状を見てみるとわりと自重があり軸はしっかりしててカエシも携えている。
ところが特殊カラーといった特徴を除くと他にも同じ様なスペックの鈎は数存在する。
海は複雑であり、グレは気紛れ故、何らかの理由でそれらを駆使してもどうしても喰わない場合がある。
それなら「喰わせグレケイムラ」と大きく相反する鈎を使いこなせたら違うものが見えてくるかもしれないと考えた。
となると自重は軽く、細軸でカエシの無いスレ鈎という事になる。
すぐに思い当たったのは「釣闘競技グレ」だ。
また以前、スタッフ仲間の関君と同礁した際、彼が「釣闘競技グレ4号」で48cmの良型口太グレを仕留めたのを現認しているのでサイズは小さくとも並外れた強度も有ると思う。
そこで鈎ケースに「喰わせグレケイムラ」と共に「釣闘競技グレ」を忍ばせ、米水津での釣行と相成った。

状況は以下の通りである。
①ウネリが入っており、仕掛けが馴染んでもツケエが不安定な状態。
②風は終始、左手の水道から釣座右方向に強く吹き抜けており、息継ぎは殆ど無い。
③潮は沖を向いて右から左にほぼ真横に流れている。
表層は速く、中層以下が緩いため上滑りしてウキ先行で流れる。
④エサ取りは視認できないが鉤掛かりしない小魚が掠め盗っているせいかツケエが残らない。
極稀にキタマクラが鈎掛かりする。

 3

今、思い出しても一筋縄でいく状況ではないが、まずは仕掛け全体を安定させツケエ先行で流す事を優先する。
苦心惨憺の末、これをクリアしたのは下ウキを沈める二段ウキによる全遊動仕掛けであり、時折風を利用してラインと上ウキを潮上に置く帆掛け釣法だった。
これで理想的な流し方に近付き、ようやく難局を探る算段がついた。
潜行しながら中層以下の流れを噛む下ウキ。仕掛けは安定して確実に入っていく。
暫くは鈎に掛かるのは変わらずキタマクラだったが、そのうち波に揺れる上ウキにアタリが出て、手にしたのは赤ブダイだ。
赤ブダイは例外を除いてそう浮く魚ではなく、磯際や底のシモリなどの障害物に付く事が一般的であるためツケエは入っていると判断出来る。
次に上ウキに出る反応の中にゆっくりと入って行くものがあった。
加速して入ったり竿先を持って行き、ラインを弾くような分かりやすいものではない。
あたかも根掛かりのような雰囲気の中、それがどこまでも潜行していくのだ。
ウキが見えなくなった時、竿先で訊くも異変は無く、仕掛けを回収するもツケエは無い。
”何故喰い込まない?”
この状況は恐らく皆さんも経験がお有りと思うが非常に悩ましい状況である。
カワハギかフグ系で鈎が合っていないんでは?と言われればそれまでだが鈎サイズを変えても掛けきれないのだ。
ここまでの反応で魚種を特定するのは非常に難しい。

鈎の塗装の剥げ具合を確認する手はあるもののフグ系のヒット率が高い場合、一投毎に新しい鈎を括り付ける事は効率が落ちるし些か現実的ではない。
更には次の一投から何らかの要因でパッタリと魚信が途絶え、反応が出なくなるケースもあり得る。
またそう潮通しの良い場所ではないので群れは小さいと踏んでいた為、喰いは長くは続かないと予想した。
となると括り替える時間が惜しくもある。
この為、私の場合は掛からずとも怪しいアタリが出ている場合、ハリスに傷が入ってなく、針先が鋭いままであれば剥げたカラーは装餌で隠し、一刻も早く次の振り込みに入りたい。
手返し優先の釣りだ。
このような場面ではアタリが本命のグレである事を想定して一投でも多くアプローチする事にしており、私の中での手立てを挙げてみると。

①張ったラインを止めたり、竿先で訊いたりして反応を見る。
②ウキ止め糸を括り付け、タナを浅めに設定する半遊動釣法に切り替える。
③ハリスのチモトに極小ガン玉を打ち、ツケエの馴染ませ方、ハリスの張り具合、また魚の口に対する入射角を変えてみる。
④ツケエの沈下速度が撒き餌のオキアミに近く、軽くて喰い込み重視の鈎に替えてみる。
⑤ツケエのサイズを鈎にきっちり収まる程度の小さなものとし、喰い易い種別のツケエに替えてみる。

といったところだが①は餌だけ無くなり答えは出なかった。
②は依然ウネリがあるため、半遊動には戻せない。
またこの時点で③は既にやった結果、状況は変わらなかった。
仕掛けが重くなればそれだけ喰いが落ちるのかも知れない。
といった理由でガン玉を外し、残りの④と⑤を同時にやってみた。

2

ツケエは各種、散々試した結果、既に喰い込み抜群の芝エビの自家製ムキミを主力で装餌している状況である。

イメージとしては、”自重を減らし、もっとゆっくり自然に。
魚が焦れて喰い上がる程、ゆっくりとしたツケエの落ち込みを見せる。”
といったところだ。
鈎が「釣闘競技グレ4号」となり、軽くなるぶん馴染むまでの時間差を考慮し、投入タイミングをやや早目に設定し、

それまでより若干潮上に振り込む。
数度投入して流してみたがやはりエサ盗りが邪魔し、塗装はところどころ剥げている。
何投目かの振り込みで上ウキに前述の反応が出てやはり同じようにどこまでも潜行していく。
ここですかさず①を行うとコツッと小さな手応えを感じたため、そのままアワセると竿にノッてきた。
足元へ突っ込む小気味よい引きをいなし、タモに収めたのはよく肥えた35cm程の口太グレだ。

悩ましいアタリは私の予想と一致した本命だったのである。
梅雨でもこの状況の米水津。
それは浅いタナで喰い上がる梅雨グレとは程遠く異なるものだったのである。
同じ事をやっても掛けきれなかったアタリが鈎を替えたらフッキングに至った。
苦心惨憺やれやれだが、答えを引き出せさえすればしめたもの。
撒き餌で複数のポイントを作り、グレを動かしながら一気に連打に持ち込んだ。
更にはウネリが和らいだと感じたため仕掛けを②に切り替えて同サイズの数釣りを堪能。
ウキ下3ヒロ前後にて無事、二桁の口太グレ奪取に至ったのである。

  4

この釣りを振り返ると竿出しの時点から難局を突きつけられ、まずはツケエの安定を図る事に試行錯誤した。
それをクリアした後、次は掛ける事に無い頭を使ったが、分岐点となったのは置かれている状況に対して、鈎を「釣闘競技グレ4号」に替えた場面であったのは明らかである。
”同じ4号鈎でもカエシが有ると掛からず、スレ鈎だと掛かる。”
ミクロにも及ぶ先端が触れ、身に入っていく時の抵抗が一番少ないのはカエシのないスレ鈎。
魚に違和感無く、自然に刺さりにかかる鋭さに身をもって体感したのだ。
またこれは有り得ない表現であるが、”あたかも鈎が意思を持って自ら刺さろうとしている。”
そう錯覚させるほど鈎として素晴らしい機能性に気付いたのである。

逆に同礁者に釣れて自分に釣れないシーンにも何度も出くわした。
”鈎は釣り人個人に合う合わないがある。”
つまり釣り人と鈎との相性はあると思うのだ。
水深のある磯では「ケイムラ」。
比較的浅い磯では「釣闘競技」。
というふうにエリアや磯によって優先する鈎を決めても面白いと思う。
こうして探していた2nd hookをようやく手に入れた事は喜びであり、今後の釣行を思うとまた楽しみである。
その半面、努力を怠れば進歩は無いとも思っている。
海は変わってきているし、釣り道具もまた日々進歩している。
これに追従していかなければリアルタイムさで後れをとる事となり、その時代の中で最高の釣りを味わう機会を逸すると思っている。
本記事では「釣闘競技グレ」を2nd hookと記載したが同鉤はご存知の通り最近リリースされたものではない。
ささめ針社と監修された“闘将・柳生和夫名人”は数年も前からこの鈎を作り出し、大会などで幾多の実績を上げる事で素晴らしさを発信され続けていたのである。
このタイムラグは私の釣りの中で巡り合った鈎の順番が遅かった事、また気付きが無かった事に尽き、悔やまれる事でもある。
今後は状況によっては1stと2ndが入れ替わる事もあるだろう。
僅か数グラムの道具ながら”されど鈎” 。

拘る事で都度、最高の釣りを展開できれば釣り人として充実した釣行が増え、釣りの幅も拡がると信じている。

 5

【終わりに】
暇に任せて長々と書かせて頂いたが勿論、これは私の場合のケースであり、冒頭で記載したように相性も有ると思っているので釣り人全般に当てはまるものとは思っていない。
上記に記したように個人の釣り、また釣り方にマッチする鈎は実在すると思っている。
私は長らくライターの端くれとして執筆活動を続けているが本記事が文字数制限に拘らず、過去例が無い程の長文となってしまった事をお詫びしたい。
それは読んでいただく方がイメージし易く、私と同じように何らかの嬉しい気付きがある事、良き釣りとなる事を切に願い、余すところ無く事実をそのまま記載したかった故の事である。
どうかご容赦いただきたい。

”満足せずに貪欲に。”
必ず来るであろう新たな次の難局を釣りこなせるよう私も日々研鑽に励もう。
長い釣り人生、引き続き3rd hookを探しながら敢えて”永遠の迷い人”を続けようと思っている。
本記事を読んで下さったYAIBA愛好家の皆さんの明日の釣りが楽しく充実した時間でありますように。

平成28年7月22日
ささめ針社と素晴らしき海に感謝。
ヤイバフィールドアドバイザー  西  昭彦

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