2016年07月04日掲載文
フィールドアドバイザー宇留野達幸氏のレポート
〜例会の釣行レポート 〜
クラブの7月度例会が7月3日(日)に下田の沖根で行われました。『平根』を予約してあったのですが、この日は西風が強くちょっと無理だったので『沖横根』に乗りました。
下田沖約6kmにある『沖根』とは横根・沖横根・石取根・豊根・平根…などの総称で潮通しが良く、上物・底物共に実績十分です。またこのところ10Kg級のヒラマサや大型の真鯛が連日上がっているという前情報です。
田牛(とうじ)の港を出ると海は比較的静かですが西風が強く船上でも飛沫がかかります。天気は曇りで海上と伊豆の山々は霧がかかってかすんでいます。暑くなる予報なので、このまま曇っていてくれて風もあまり強くならない範囲で吹き続けてくれると良いな、と勝手なことを考えながらウトウトしていると船が沖横根に到着しました。
風が強く、磯の西側は波がはい上がってくるので竿を出すことができません。『ハナレ』に3人、それ以外も皆東向きに釣り座を構えました。私はしばし休息です。弁当を食べたり、仲間の間を回りながら横でちょっとだけ竿を出させてもらったりしながら潮が下げるのを待ちました。
隣の『横根』にも大勢の釣り人が乗っていてほとんどが東を向いていますが、西側でも足場が高い『稲荷下』では潮をかぶらないので、朝から3人の釣り人が竿を出していました。
西方の『石取根』でも東向きの『裏本場』に釣り人が集中しているようです。
南沖には神子元島が見えぼんやりと見えています。
今日の道具立ては、磯竿の2号、6.3m。道糸とハリスは4号の通しです。ウキはF-Logic製のバーテックス、Lサイズ、00負荷のブリッツ(穴径が大きいタイプ)を浮き止めなしで使用し、風の影響を相殺するために道糸とハリスの直結部分にガン玉(G5)を打ちました。針はヤイバグレの8号を結んで大物対策です。
潮は下っていて、仲間を見ていても時折イサキが竿を曲げる程度でした。
9時頃になってようやく足場も乾いてきたようなので、一人で西側の磯に立って竿を出しました。風は強いといっても冬の季節風のような強風ではありませんが、波が寄せてきて足元はグチャグチャで仕掛けが落ち着かない状況です。潮は当て潮で、少し沖に潮目を作って左に払い磯の南先端を回り込んで後方へ流れていきます。当て潮+向かい風ですが、足元から出ているサラシを利用してこの潮目の中を流していきました。潮が速くて仕掛けが落ち着かないので、針を自重があるヤイバ閃烈グレヘビーの8号に変え、ガン玉を追加したり外したり試行錯誤しながら、潮下でサラシと潮がぶつかっている辺りで仕掛けを止めていると本日最初のアタリで待望のメジナが釣れました。35cm級の口太です。これでボウズを逃れて一安心。
やがて潮が少し緩んでくると40cm級の口太が3連発でアタリました。
暫くしてこちら側の様子を見に来た仲間の一人が東の釣り座に戻り、私がキーパーを複数枚釣りあげていることが伝わったのか、2~3人の仲間がこちら側に移動して来ました。『一人で釣りしてたら寂しいだろうから、横に来てあげるね。』と優しい(ゲンキンな)仲間たちです。勿論、釣り人たるもの、釣れている場所に集まってくるのは当然ではあります。
その後さらに潮が緩んでくるとイサキが釣れ始めました。35cm前後の良型でお腹が膨らんだ美味しそうなイサキです。
そして1時頃に噂の奴が来ました。それまでイサキを連釣していたのですが、全く手応えが違う重々しいアタリに一段下の足場に降りてやり取りを開始したものの、一旦真下に突っ込んだ後に今度はドラグを鳴らして沖に向かって走り出しました。リールのベールを起こしてフリーで走らせましたがあっという間に100m以上走って全く止まる気配を見せないので、120mぐらい糸が出たところで勝負に出ました。しかし奴は全く衰えを見せずに走り続け、やがて150mの道糸を出し切ってそのまま走り去りました。悔しさは残るものの、そもそも上物の仕掛けで対応できる相手ではなく、一気にアドレナリンレベルを上げてくれた奴に感謝するしかありません。
今日も楽しい思いをさせてくれた海と仲間と、楽しい釣りを支えてくれる釣り具メーカーや釣具店、餌屋、渡船屋…、皆に感謝しながら家路につきました。
釣行データ 7月3日(日)
場 所:沖横根
天 候:曇り
渡 船:喜一丸
潮回り:大潮(干潮:午前10時半頃)