2016年03月16日掲載文
フィールドアドバイザー宇留野達幸氏のレポート
〜第3回下流カップ 大会レポート 〜
今回は第3回下流カップのレポートをします。南伊豆の下流(したる)をホームグラウンドにしている釣り人の懇親目的の大会です。
大会参加者は35名でしたが、皆、下流を知り尽くした強者ばかりです。
朝の抽選で私は11番を引き、磯割は『小黒』でした。港を出て東側、後ろの海岸に遊びに来た人と会話が出来そうなぐらい地方に近い磯で、周りは浅く、シモリ根やカジメが多いのでその間を釣るような場所です。冬場には思わぬ大釣りをすることもありますが、春先などフグが大量発生して一日に20本も30本も結び直さなければならない時もあります。ウミタナゴも多く、良い日と悪い日の差が大きい磯です。クロダイが良く出る場所でもあり、私も過去に何匹か釣っています。この大会の前日にもこの磯で51.5cmのクロダイが上がったと聞いて、(クロダイは大会では対象外なのですが)1匹ぐらい釣っておきたいな、と、つい欲が出てしまいました。
下流は一般的に午後から釣れる場所です。昼までは全く鳴かず飛ばずの状態でも、午後にバタバタッと釣れることも良くあります。しかし、今日は午後の2時半頃が干潮でしかもかなり潮が下げる日並みなので、肝心の午後の時間帯に潮が引いてしまって、特にこの『小黒』では絶対に不利。沖の水深のある磯が有利なのでしょう。と、そんなことを言っていても始まりません。とにかく釣りを開始です。朝の内に釣っておかねば…。
今日の道具立ては、磯竿は2号、6.3m。道糸とハリスは2.25号通し。ウキはF-Logic製のプロストリーム、Mサイズで0負荷のもの。針はヒネリグレの6号です。
今大会のルールは30cm以上のメジナ3匹までの重量で競うというものなので、とにかく何でも良いからメジナを3匹釣りたいものです。朝の内はゆっくりと潮が昇っており、左から右に向かっての流れです。釣り場からは見えませんが、20m程右奥に穴(深くなっているところ)があるので、先ずはそこに仕掛けを入れて待ちます。運良く朝の3投目にメジナが釣れました。36~7cmでしょうか。とにかくこれでボーズだけは免れてホッと一息です。
しかしその後はメジナの反応はなく、フグとウミタナゴのエサ取りのみです。昼過ぎまでに3匹のメジナを追釣しましたが、どれも30cmには届かず、リリースです。
10時過ぎには隣の『大黒』に乗っている柳川君から電話がかかってきました。『大黒』は『小黒』より少し港寄りにある磯で、やはり地方に近く、周りが浅いという意味で『小黒』と類似の磯です。
「全く生命反応がなく、メジナはおろか、魚がいません。そっちはどうですか?」と言うことだったので、「こっちはフグとウミタナゴがいて、ほぼ毎回エサを盗られるよ。メジナは未だ1匹しかキープしていない。」と告げると、魚がいることにとても驚いて「それじゃあ、もう少し頑張ってみます。」とのこと。その時までに、既に潮は下りに変わっており右(大黒方向)から左に流れていたので、「そっちでコマセを撒けばこの辺にいる魚がそっちに行くだろう。頑張りな。」と電話を切りました。
その後は潮が引いてしまって海はどんどん浅くなり、周りではカジメが海面から頭を出しています。仕掛けを入れられる場所が限られてしまいます。こうなると打つ手はなく、ほぼ惰性で仕掛けとコマセの投入を繰り返すしかありません。と、久しぶりにウキが沈み、反射的にアワセを入れるとシャープな引きが返ってきます。40cmにはちょっと届きませんが、朝のメジナよりは少し大きく、38cmぐらいでしょうか。
3匹目は釣れないまま納竿時間を迎え、私はこの2匹のみを検量に出しましたが、結果は10位でした。
場所によって釣果にムラはありましたが、優勝者は3Kg越え、2位と3位の人も3Kgに近い釣果で、40cm級を3枚揃えたということなのでしょう。
全体では何とクロダイが14枚も持ち込まれ、しかもその内の3匹が50cmを超えており、さながらチヌの大会のようでした。
釣行データ 3月13日(日)
場 所:下流(小黒)
天 候:曇り
渡 船:坂下丸
潮回り:中潮(満潮:午前8時頃)